百万石の次回予告Column 004

001  → 002  → 003  → 005  → 006  → 007008  → 009
home
What is FUNKAHOLIC?
Fantasy Time
team FUNKAHOLIC
ranking
column
archive
2008.9.5 On Air Theme 『小学生時代』
小学生時代かぁ、今では信じられないくらい真面目でしたねぇ。

まぁそのころの真面目具合なんてものは、今になって全く意味を為さないというのを、まさに自分が身を持って証明しているとオレは思ってるわけで あります。

どんくらい真面目だったかというと、

ご近所さんへの挨拶は欠かさない
大人には必ず敬語で話す
週6日の習い事
学校の成績はほぼトップクラス

あの、ここ数年でテレビでよく30人31脚て観るじゃないですか。あれでチームのキャプテンやってて、インタビューされたらおもっくそ カメラ目線で「相手は強いけど、僕たちの力を信じて走るだけです」とか言っちゃうような寒いタイプのヤツでした。
でもね、クラスに一人くらいいたと思うんですよこういうヤツ。

この手のタイプの子がね、
意外に伸びないんですね、大人になってから。

ちょ、お前自分のことしか見ないでコレ言ってるだろ!とおっしゃる可愛いご子息やご令嬢をお持ちのお父さんお母さん、まぁまぁ落ち着いて。

んじゃあどうですか?ご自分が小学生だったころにね、俗に言う学級委員長だったヤツがね、今どうしてますか?
その学級偏差値通りに、素晴らしい大人になっていますか?
むちゃくちゃずさんな大人にはなってないと思いますが、言うほどすごい大人になって無い気がしませんか?
もちろんその本人に何の罪も無い。本人は一生懸命頑張ってきて今があるわけですから、もちろんそれを否定するつもりは無い。

大人が持つ、子供へのイメージって、今思えば本当に怖い。

僕は全く自覚症状が無かったんですが、あったヤツはあったらしいですね、
大人からのプレッシャーによって産まれるストレスってのが。
自分の親だけじゃなく、広くは町内の大人達まで、その「出来る子」に多大なる期待をかけるわけですよ、あの子は立派になる、あの子が 悪い大人なんかになるはずが無い、と。
はっきりと思わないまでも、子供心に「立派にならないといけない」とか、「大人達の期待は裏切れない」とかの、おぼろげながらに見える 「使命感」が、小学校の間ずーっと付きまとうわけですね。
そして、中学、高校、と進むうちに、自分が培ってきた価値観というのがどんどん崩れて行く。想像もしなかったことがたくさん起こる。
自分は、大人の顔色だけを窺いながら物事を見つめてきたんだということに気づいて愕然とするんですな。

それよか、あんまり大人ウケの良くなかったヤツのほうが、伸びてませんか?え?あいつ今そんなんなってんの?みたいな。
わりと自由奔放に、大人のプレッシャーを受けずに自分の価値観で物事を見て来たヤツは、本当に強いですよ色んな意味で。 ガキの頃から自分の勘と力で戦ってきてますからね。
今となっては物凄く羨ましく思えるのです。


一個一個振返るとキリが無いんで、自分はいったいどんな小学生だったかを思い起こせば、
ぼかぁこんな悲しい小学生だったんだと。

小学生には小学生の中の社会があるんですね。大人はそれをある程度汲み取ってあげないといけないんでしょうね。



2008.9.12 On Air Theme 『タクシー』
規制緩和後、タクシーの運転手さんも様々で、あの手この手を使って客をゲットしようと頑張ってらっしゃる。
むちゃくちゃ喋りがうまい運転手さんもいた。約10分の道中、爆笑しっぱなしだった。『いつでも呼???潤?んでください!目隠ししながら 駆けつけます!』なんて言われて名刺を渡された。まだその名刺持ってるけど、使ったこと無い。
ホントに目隠しして来たらそりゃ笑うけども。

最近タクシー乗ったと言えば、もう春にまで遡る。中国で乗った。
向こうのタクシードライバーはそれこそ日本以上にキャラクターが濃くて千差万別。
浦東国際空港から上海の中心地まで乗ろうとタクシー待ちをしていると、オレに当たったのは身長が2mくらいあるプロレスラー みたいなおっちゃん。

人相が半端無く悪い。

でかい身体を何とか運転席に収めて車を転がす。中国のタクシーは、ドライバーが強盗などから身を守るために後部座席から 運転席に手が伸ばせないようになっている。はっきり言ってそのおっちゃんに強盗を仕掛けるヤツなんか絶対いない。

一応中国にも道路交通法は存在するんだろうけど、そのおっちゃんはほとんど無視。高速道路を160km/h以上のスピードで、しかも前が詰まって たら路肩なんか平気で走る。
中国でタクシーに乗ったのは初めてでは無く、ある程度運転が荒いのは知っていたが、 そのおっちゃんの運転はどんなテーマパークのアトラクションよりもスリリングだった。
目的地について元の紙幣を渡すと、おっちゃんはまじまじと紙幣を眺めている。
何やってんだろうと思っていたら、何とオレが渡した紙幣を偽札だと疑っているらしい。
オレもずいぶん人相が悪いが、

あんたほどじゃねぇよ。

実際にオレがおっちゃんに掛けた言葉だ。もちろん日本語で。
悔しかったから、渡されたお釣りの紙幣をまじまじと眺めてやった。思いっきり舌打ちされた。

まぁ、後にも先にも、タクシードライバーに舌打ちされるのはあの時だけだろうな。



2008.9.19 On Air Theme 『犬』
あのぉ、別に構いはしないんですが、猫派である自分としちゃ世間がこれだけ犬をフューチャーしているとなると何だかなぁと思ってしまう わけなんですよ。
テレビや雑誌なんかでペットコーナーを観ると、ほとんど犬コーナーに近いもんがあるし。

オレは今となっては猫どころかもっと狭いところ、鳥を飼ってますからね。自分が鳥を飼うようになるだなんて昔はこれっぽちも考えなかったなぁ。
もちろん犬は可愛いですよ。コーギーとかたまらんね。いつかコーギーは自分がクソじじいになってから飼いたいです。

話を戻しますけどね、冷静に考えてね、やっぱり世間様はペットと言えば犬だとおっしゃる。これは曲げようの無い事実なのです。
ほとんどの皆さんが家の庭で羊を追い込む必要がないでしょうから、やはり愛らしいという理由で犬を飼うんでしょうね。
あと忠犬ハチ公とかでもわかるように、犬は賢いというイメージあるからなぁ。例えば猫が死んだはずのご主人を何年も待ち続けるだなんて 日本から漢字が消えるくらいあり得ない話ですよ。

犬を飼ったことの無いオレは、犬って賢いし甘え上手だなというイメージが強いのです。

だから、世間様は普段から甘えられたい欲求が強い人が多いのかなぁと思います。
鳥や猫ももちろんピーピーニャーニャー言いながら甘えてはきますが、犬ほど感情豊かに甘えてこないような気がします。

しかし、それでも鳥も猫もたまに。たまぁ〜にこれでもかって甘えてくる時があってね、その瞬間がたまらなくイイわけですよ。犬は、 常日頃甘えるというか、こちら側は甘えられるのが当たり前になって、更に犬に対して色々求めてしまいそうで怖いんですな。すると、 もう犬に依存してしまって他に何も手が付けられなくなってしまいそうでね。
何も手がつけられなくなりそうだか???潤?ら、犬を飼うなら出来ればクソじじいになってからのほうがいいかなぁと思っているんです。

我々男目線で言えば、あのコは犬みたいな女だとか、アイツは猫みたいだなとか言いますが、ぼかぁやっぱり猫みたいな女のほうがタイプです。 そもそも犬みたいな女性に好かれたことなんてありません。

あー、オレ野良犬どころか人んちの飼い犬にさえめっちゃ吼えられるなぁ。なんでだろうなぁ。
目を物凄くウルウルさせて後ずさり気味にわおんわおん吼えるんですけどね。

・・・・・・・いやまぁ何となくわかっとるけれども。



2008.9.26 On Air Theme 『喧嘩』
たまに〜わぁ〜、けんかぁ〜にぃ〜、まけて〜こい〜

昔のCMでよく聞いたフレーズだ。確かお菓子か何かのCMだったような。
お子さんがいらっしゃるご家庭ならわかるかと思うが、今でこそ子供がケンカの一つでもしようもんならうるさい親だと怒鳴り込んでくるらしい。
うちの子が失明でもしたらおたくはどう責任を取るおつもりですか?この子はケンカなんかする子じゃないんです、おたくのがけしかけたんでしょう?
この手の親をモンスターペアレントというらしい。とにかく子供社会に口を出さなきゃ気が済まないタイプなんだとか。

ところがどっこい、昭和初期のころまで遡ると、ケンカに負けて帰ってきたら親にまで殴られたらしい。父親に更にボコボコにされて、 仕返しするまで家には入れない、ケンカに勝ってこそ男なんだ、と。終わんねぇじゃんケンカ。勉強する暇なんか無いじゃないか。

子供がいない今、自分が親になった時、子供が泣いて帰ってきた時どうするか。
殴りはしないし仕返ししてこいとも言わないだろうが、ケンカに負けるのが如何にカッコ悪くてだらしないかを懇々と説く。 子供社会にゴキブリのように狭い隙間から顔を出すモンスターペアレントははっきり言って頂けない。それよりも、負けっ放しで終わることは 罪なんだと教えてやることが、親としての義務であり精一杯のことかと思う。

大人のケンカ、ってのももちろんある。力任せにぶん殴れば警察沙汰になるし、子供と大人のケンカには違いがある。
以前、テレアポの仕事をしてた時、電話で客とケンカばかりしている時期があった。もちろん商談になんてなるはずもなく数字は上がらない。 上司には詰められ、いいことなんか全く無い。
ビジネスの面では活かされることはなかったけど、それによって学んだこともある。
大人のケンカで勝ちたいなら、相手を汚れさせることだ。
ある程度分別のつく大人なら、自分が汚れたことが如何に愚行であったかを一人後悔する。後悔させたら勝ちなのだ。それで初めて大人が大人である 意味があるんじゃないかと思う。
汚れに汚れまくった自分は最後も上司とケンカしてその仕事を辞めた。

ただ、大人のケンカで難しいのは、負けてでも汚れてでも押し通さなきゃならん事がたくさんあるということだ。自分のプライドを曲げてまで ケンカに負ける必要は無い。子供の頃には想像だにしなかったがんじがらめの事情が大人にはある。

子供のケンカで、殴られて多少顔が腫れようが擦り傷が出来ようが、大人になれば至極どうでも良いことだ。それなのに、どうでも良いことに ガツガツ口を出すモンスターペアレントの皆さんは、全く持ってナンセンスなのだ。

オレはモンスターペアレントに鉄槌を下すモンスターモンスターペアレントになりたい。



2008.10.3 On Air Theme 『引き際』
ソフトバンクホークスの王監督が辞任を表明したのが先週の出来事。
今期のホークスは交流戦こそ優勝したものの、後半戦に失速して、長い間居続けたパリーグAクラスの座からとうとう降りた。
別にそれが直接的な原因では無いにしても、辞任会見のときに「どうしても、やろうとしていることがうまくいかない」とコメントしていたように、
テレビを観る限りではチームの不振が原因になっていることは否めないように感じた。

自分は福岡県民となって11年になるが、ホークスと言えば王監督だったわけで、
その王さんがユニフォームを脱ぐというのは未だに実感出来ないところがある。

名選手だったことはもちろん、弱小と呼ばれたホークスを常にAクラスにした監督しての手腕、
それだけでなく、ワールドベースボールクラシックで日本代表を率いて見事世界一に導いた勝負強さは、
野球史に永く語り継がれるのは間違い無い。

ただ、終わりというのは必ずやってくる。
最後、いわゆる引き際を見たときに「最下位争いをしながら辞めるだなんて可哀想だ」と言う意見もある。
まぁ可哀想と言えば可哀想だが、
我々福岡人が、王監督に可哀想なんて想いを抱くことや言葉をかけることよりも、
「王監督、今までありがとう」と気持ち良く送り出すことのほうが、
王監督にとっては嬉しいんじゃないかな、とも思う。

確かに今年のホークスは、褒められた成績とは言えない。
でも、それを差し引いても、強い球団になったのは間違いない。充分すぎるほどおつりがある。
王監督の引き際は、決して暗いものでは無い。
彼は、みんなに温かく見守られながら、笑顔で現場を去る権利がある。

ホークスの選手は悔しいだろうなぁ。
最後に不甲斐無い成績で監督を送り出さなければいけないのは辛いだろう。
でも、まちがいなく王監督の精神は選手に継がれているわけで、
来期に奮起してもらえばいいのだ。
本当に弱いチームが、交流戦で優勝出来るわけがない。
ちょっと歯車が狂っただけだと思う。
是非、来年は強いホークスを見せてほしいものだ。

別にプロ野球の世界に限ったことでは無いが、
引き際に美学があるとするなら、それは引き際そのものが美しいのではなく、
現場で活躍していた時のプロセスが美しいのだ。
王さんが今期限りで監督を辞任するにあたって、可哀想にという言葉を聞くことはあっても、
最後にホークスをめちゃくちゃにしやがってという言葉を聞かないのは、
王監督がホークスの監督として積み上げてきたものを皆知っているからだろう。
終わり良ければ全て良しという言葉もあるけれど、
今回の王監督の辞任がどことなく美しいものであるのは、
王監督自身がその時その時を大事にしてきたからに他ならないのだ。

寂しそうでもあったが、何となく安堵の表情も読み取れた辞任会見で、
僕らは一人の人間として、その時その時を大事にすることを、
王貞治の引き際で教えてもらった気がする。

王監督、本当にお疲れ様でした。
WBCの監督なんかせずに、ゆっくり休んでください。



2008.10.10 On Air Theme 『変身』
オレが大好きな馬に『クロフネ』という馬がいた。
そ?う、黒船ペリーのあの黒船を文字ってつけられた名前で、その名前とは裏腹に馬体は白に近い芦毛の馬だった。
由来もちゃんとあって、クロフネが3歳になりクラシックレースを迎える年から、外国産馬へ、日本で最も格式高いレースと言われる日本ダービーへの 出走が認められた。
外国産馬のクロフネは、デビュー前からダービー制覇を目論んでこの名前をつけられたのだ。

G1レースNHKマイルカップを制して挑んだ日本ダービーだったが、直線追い込むも5着。デビュー以来、怪物的な強さを見せていたクロフネが直線で もがく様に、ファンは信じられない様子だった。
この年はクロフネ以外にもスターホースの当たり年で、アグネスタキオンやジャングルポケットなどの、種牡馬として血を残し続けている馬がズラリ。 このダービーでも勝てず、一夏を越して挑んだ神戸新聞杯でも敗れ、このままでは優秀な同世代の他馬に埋もれて単なるG1ホースで終わってしまい そうな雰囲気だった。

しかし、陣営はクロフネの血統に目をつける。
クロフネの父、フレンチデピュティは、アメリカのダートレース(砂のコースを走るレース)で実績を残した馬だ。その血を受け継ぐクロフネは、 これまで芝コースのレースしか経験していなかったのだ。

ひょっとしたら、化けるんじゃないのか。
陣営はダート路線に目標を切り替える。
陣営はもちろん、ファンも半信半疑の中迎えたG3武蔵野ステークス。
ゲートが開くと、その不安をよそにクロフネ劇場が展開された。

他馬が力強く砂を蹴りあげる中、クロフネは馬群の後ろから滑るように前に進出し、スケートでもするかのように他馬を千切った。
まるでG1レースのようなどよめきが府中に起こり、鞍上の武豊が股の下から後ろを覗いた時は、ゴール前だと言うのに喝采の拍手が起きた。
この時クロフネが記録した東京ダート1600m走破タイム@1.33.3という数字は、マラソンで言えば2時間を切る、 陸上100m走では9秒を切るようなインパクト。
それまで、『芝のレースで結果を残してこそ名馬としての価値がある』と言われていた日本競馬界において、ダートレースの存在価値を一気に高めた クロフネは、『ダートレースの怪物』として見事に『変身』を遂げたのである。

一ヶ月後に行なわれたG1レース、ジャパンカップダートではアメリカの強豪を迎えたクロフネだったが、アメリカのエースだったリドパレスを 完全に子供扱いした。リドパレス陣営には「相手が悪かった」とまで言わせた。

その翌春に控えたダートレース世界最高峰のドバイワールドカップの制覇も見えたかと思われたが、競走馬の致命傷とも呼ばれる「屈腱炎」を患い、 引退を余儀なくされた。

いくつもの衝撃を残したクロフネだったが、一番の衝撃はやはり「ダート馬への変身」だったと思う。
芝でも一線級の実力を誇った馬が、まさかのダート変更。変身とはまさに、観る者に強烈なインパクトを残すことなのだ。

クロフネは同世代のスターホースと共に種牡馬となり、現在もその仔たちは日本の競馬で活躍している。
クロフネの意外性とインパクトは、永く後世に語り継がれるに違いない。



2008.10.17 On Air Theme 『アクシデント』
アクシデントとは、誰も起こそうと思いたくて起こすものでは無い。
いわゆる想定外という事象がアクシデントになる。
アクシデントは非常にやっかいで、起こったその時だけでなく後にも色んな厄介ごとを招いてくる。

アクシデントを回避する方法など、実は無いに等しいのだ。だって、想定される出来事なら必ず対処法がある。
対処法が無いからみんな困るんだもの。

まぁ、全く無いわけでは無い。ようは、全て「想定内」にしてしまえばいい。
自分の経験と知識を活かして、考えられるアクシデントを全て考え尽くし、徹底的にケーススタディするのだ。
ただ、これはキリが無い。
携帯電話を常ににらみっぱなし、車のアクセルはいつまでも踏めず、まな板を前にしてはもちろん包丁さえ握れない。ひたすら ベッドに引きこもれども、風邪ひいたらどうしよう、床擦れになったらどうしようと、人間として生きていけない。

そしたら、逆はどうだろう?
アクシデントを全くアクシデントと思わない方法。

車をぶつけようがマルチ商法にひっかかろうが包丁で指切ろうが床擦れになろうが彼女が妊娠しようが、全てが『神の教えだ。ありがてぇ、 いやぁありがてぇ』とひたすら物事に向かって拝み倒す。
アクシデントと向き合うことに限らず、色んなことに於いてこれがある意味最強だと思うが、激しく友人知人を無くしそうだ。

結局、人様や世間様と何気なく接していれば、アクシデントは必ずやってくるのだ。

いざ起こった時に、それ以上の悪い事態を起こさないようにするのが一番の方法なんだろうなぁ。



2008.10.24 On Air Theme 『旅』
旅にも色々あって、全く予定を立てずにふらっと出かけるものと、きちんと予定を組んで出かけるものとに分けられる。
海外旅行になるとよほど行き慣れた土地でも無い限り、旅行会社のツアーなどに申し込んだほうが金額的に楽なこともある。
旅って楽しいものである反面、非常に疲れるイメージがある。帰り路の駅や空港に辿り着いた時に「いやぁ、本当に楽しかったなぁ」と口に 出しつつも、その顔の頬はこけて目は虚ろになっていることが多い。
だいたい、旅行会社のツアーはもちろん便利なんだけど、ものすごい詰め込みスケジュールを組んでたりする。空港や駅で解散したあとは 楽しんだなぁという気持ちより体育会的な「記録更新感」じみたものが心を包み込んでいる。

我々日本人には、どんだけだらしないヤツでも何だかんだで「勤勉」の血が流れてるんですね。楽しむことさえ一生懸命になるわけですよ。 だから疲れるのかな、と。

元来、自分の性格上、旅においてはスケジュールを詰め込むのが好きで、時間の許す限り観れるものは全て観ることこそ旅の美学と思っていたが、 本当に楽しい旅ってのは、帰りの駅や空港でテカテカの顔でニヤニヤしながら「ぐへへへ、楽しかったですアヒャヒャヒャ」と言える旅なのでは ないかと最近は思えてきたのだ。

その旅行に行く土地で、観たい場所を半分に減らす、というのはどうだろう?
それで空いた時間と浮いた金でホテルの部屋を満喫するかうまいもん食うか民族衣装でも買ったらどうか。
半分に絞り切れなかったら、力技で無理矢理にでも絞って、また違う機会にその時行けなかった場所に行けばいいじゃないか。
とにかく、「疲れない」ってのが今の我々にとっての贅沢な旅なんじゃないかと思う。

日本人ってのはバカンスが下手だって言うもんな。
エジプトに行った時、アブジンベルの空港でアロハシャツに麦藁帽子のアメリカ人のご老人にこう話しかけられた。

「キミはとっても疲れているね、病気にでもなったのかい」

別に疲れてなんか無かったんだがうまく英語が浮かんでこなかったので、暑さで参ってしまったんだと応えると、お気の毒に、でもこの先は きっと良い旅になるさ、グッドラックと超上から目線で言われたのを思い出す。オレがよほどひどい顔だったんだろう。
言葉の裏には、せかせかしてて大変だな、まぁ日本人だからしょうがないか、アハハハハ、と皮肉が込められていたのかと思う。 おんなじ飛行機に乗るそのご老人は、奥様とブッチュブッチュしながらハッチを登っていたが、目的地のアレクサンドリアに着陸した時には、 夫婦共々飛行機酔いでシートから立てずにひどくぐったりしていた。

うーん、結局体力なんかな、旅って。



2008.11.7 On Air Theme 『いっぱいいっぱい』
ここで競馬の話を書くのは本来どうかと思うのだが、と言っても前にも競馬のこと書いているしペンを取らずにいられない気分になった物を 観てしまったので、思うがままに。

2日に行われた天皇賞。すごいレースだった。名勝負として語り継がれるのは間違い無い。
ちょっと前までは牝馬(女馬)は天皇賞を勝てないなんて言われたが、人気を分けあったのは4歳牝馬の2頭、ダイワスカーレットとウオッカ。
レースのゴール前の攻防では、終始先頭のまま粘るダイワスカーレットに、外からディープスカイを競り落として伸びてきたウオッカが迫り、 勝負は首の上げ下げになる。結果的にワンツーを飾ったのもこの牝馬2頭で、他の男馬の猛追を凌ぎきった。タイムは従来のレコードタイムも 更新し(今回は1.57.2)、そして約20分に渡る異例の長さの写真判定。
ひょっとして同着かと思われた矢先に、掲示板の1着のところに14番が灯る。勝ったのは武豊のウオッカだった。

写真判定の結果を待つ間、武豊は「生きた心地がしなかった」とコメントを残している。我々が画面を観る限りでは、ダイワスカーレットが わずかに出ている気もした。それぐらい際どい勝負だった。僅か2cmの差。ゲートを出てすぐさま先頭を切ったダイワスカーレットは、1999m98cmまで 他の馬が前を走ることを許さなかったことになる。

ダイワが作ったレース前半のペースは予想より随分早く、そのハイペースではゴールまで持たないと思われたが、ダイワは結局後半1000Mを 前半以上に早いタイムでしのいでいる。ハナ差2cm負けたとは言え、一番強い競馬をしたのは間違い無くダイワスカーレットであり、勝った ウオッカと同じくらいに讃えられるのではないだろうか。

今年の天皇賞、この牝馬2頭が人気を分け合うということは、他の男馬の実力不足を示していた。牝馬2頭に人気を奪われてしまうようでは、 やもすると低レベルなレースになるのではないかとも言われていた。ところがどっこい平成の名勝負とも言われる結果になった。この理由の一つは、 ウオッカとダイワスカーレットが互いを同世代のライバルとして認め合い、負けたくないという一心で、『いっぱいいっぱい』のレースをしたからで あると思う。


今回のレコードタイムの、前のレコードホルダーだったスペシャルウィークが99年に記録した1.58.0というタイムも、直線を向いてからの各馬の攻防は まさに凄まじいものがあった。勝ったスペシャルウィークも猛追したステイゴールドも死力を尽くした走りを見せた。今回のダイワVSウオッカの図式は 我々ファンならずとも関係者の間でも前々から騒がれていたことだが、それに抵抗するように他の男馬も牝馬2頭に迫らんと力を出し切っていた。 現に、スペシャルウィークのタイムより早い(もしくは同じ)馬が、10頭もいたのだ。例年なら勝ってもおかしくないレベルで皆2000Mを走り切って いる。2頭だけでなく、他の馬の力があってこそ、今回の名勝負となったのだ。

G1レース、しかも格式高い天皇賞という舞台で、ライバルと、メンツと、いろんな負けられない想いがぶつかりあったことで、近年稀に見る好レースが 産まれた。その想いが強かったからこそ、どの馬も「いっぱいいっぱい」の走りをした。もちろん、毎回どのレースでも一生懸命走っているんだろう けれども、今回はその様が差の無いレコードタイム決着という形で、我々ファンに強烈なインパクトを残した。


ウオッカとダイワスカーレットのライバル対決、果たしていつまで続くのか。この天皇賞でトップ争いをしたことで、「牝馬同士の好敵手」ではなく、 「日本調教馬の頂点を争う好敵手」になった。個人的には、スペシャルウィークとグラスワンダーのライバル対決の様相とよく似ていると思う。 この牝馬2頭の闘いは痛快だ。

もう何度もいっぱいいっぱいの対決なんて見ることは出来ない。これだけの死闘を繰り広げた2頭には、これが最後になることなく、今後も無事に レースに出て、また凄まじい闘いを我々ファンに見せてほしいものだ。



2008.11.14 On Air Theme 『はじめまして』
今から8年前くらいの学生の頃、オレは今より体重が40キロくらい重くてしかもスキンヘッド、まるで罰ゲームかとも思えるその風貌は、 見る人によっては明らかにそのスジの人に見えてたと思う。街を歩けばモーゼの如く道が開け、目が合おうものならすぐにそらされる。 とあるサークルの人々から「石島洋介山(元ボクシング太平洋ヘビー級王者)」とあだ名までついていた。

たいてい気の弱い人間ほど怖く見せようと虚勢を張ることが多く、まぁ自分もその一人だったわけだ。今のほうがよっぽど気が強いかもしれん。

面白いのは、そんな風貌でも、悪そうなヤツらばかりでなく普通の人ともきちんと仲良くなれた。ちゃんとした人付き合いってのは、ルックスは あまり関係無いように思ったものだ。そんなコワモテのヤツに「はじめまして」と声をかけるのはそれなりに勇気がいることだろう。それなのに、 学生の時にそうやってシャイでしかも下戸な自分に目線を合わせて手を差し伸べてくれた友人達には、今でも感謝しきりである。

外見が怖いと、人を見かけで判断する人が全く近づいて来ない。人間、ファーストインプレッションで80%判断されるなんて言うが、その残りの 20%に奥ゆかしさだとかが詰まってる気がする。外見がどうあれ実際に話す機会があり、「はじめまして」と挨拶を交わす頃には随分と印象が変わる こともある。
どうせ関わるなら、そこに面白さを求めるべきだ。

「はじめまして」という言葉は、これから色んなことが起こりうる、宝箱のようなものではないかとオレは思うのである。

人付き合いもだいたい固まってきて、今ではあまりはじめましてと言葉を交わすこともなくなったが、
だからこそそういう新しい出会いにはワクワクするもんだ。



2008.11.21 On Air Theme 『セーター』
自分がよく行く洋服屋さんがある。
季節の変わり目になると、必ずそこに行って服をいくつか買うことにしている。
ラフ過ぎずかつカッチリし過ぎてもいないけど、どっちかっつーとカッチリ目のその洋服屋、自分の家からはかなり遠い。 電車に乗ってさらにバスに乗り換えて行かなければならない。
なぜオレがそこまでしてその洋服屋に足を運ぶのか。

店長のキャラが濃いからである。

4,5人ほど常駐しているスタッフはだいたい20代の男性なんだけど、その店長の年齢はおそらく50前後か。やたらもみあげが長く、 細身でタイトなパンツとYシャツを纏ったその風貌は、NHKサラリーマンNEOで愛されていたキャラ、セクシー部長を彷彿させる。


もちろんオレの勝手なイメージだが、洋服でも不動産でもDIYでも、どうして細身の中年販売員は右斜め下(こちらから見ると左斜め下)で手もみを しながら営業トークをしてくるのだろうか。これ、だいたい当たってる気がするんだが皆さんはどう思うだろう?
この店長もその法則に当てはまり、オレが最初その洋服屋に訪れた時は気持ちの悪いおじさんだなぁと煙たがっていたのだが、ふと、 店長が発した必要以上の丁寧な言葉にオレの耳は完全に持っていかれた。

「手前共がおススメしておるこの商品でございますけれども・・・・」

・・・・・てまえども?

今時、自分達のことを手前共なんて言わない。オレは、ちょ、手前共て店長、よう言いませんよ普通、と笑いながら応え、 それから店長に心を開いた。

どこでもそうだが洋服を買う時には、店員さんが近付いてきてよくお似合いですなんて言葉をかけられ、似合うと言われることに抵抗を感じる 人とそうでない人はいるだろうが、どちらにしても商売上は似合って無いだなんて普通は言えない。でも、この店長ははっきり言う。
「んぁ〜これはちょっとお客様には向きませんねぇ〜、こちら、こちらなら一気にアダルトの薫りが・・・」
店長はどうも自分とこの客をセクシーにしたいらしい。低姿勢で自分のスタイルをゴリ押ししてくるそのギャップが気に入って、 オレは今でもそこに通う。


ついこないだジャケットを買った時、インナーにセーターを選んだのだが、店長はやたらワインレッドのセーターを推してきた。
ワインレッドはパープルと並ぶ今年の流行色であり、この先10年はアダルトの雰囲気が約束される、出来る男の代名詞、それがワインレッドと 言うのだ。
確かに良い色かもしれないが、オレはどちらかと言うと同じセーターで色違いの紺色のほうが良いと思ったので「こっちの紺色にします」と 言ったが、「いやお客様それは頂けない」と反論。いかに今年ワインレッドがキテるか、手前共がいかに今年はワインレッドをプッシュしているかを 唾液をいっぱい飛ばしながら熱弁されたので、わかりました店長がそこまで言うんだったらワインレッドにしますわとこちらも折れる。 店長は濃い顔をくしゃくしゃにしながら嬉しそうにありがとうございますと、重ねた揉み手を右斜め下に降ろしながらおじぎをした。

家に帰り、ジャケットとワインレッドのセーターを合わせてみた。おぉ、まぁ確かに悪くは無い、むしろ良いかもしれない、さすが店長と思って いたが、サイズが微妙に大きかった。いや、微妙どころか、かなり。

結論:アダルトかつ出来る男はサイズなんて気にしない

これでいいかな?店長。



Home | about | fantasy | team | ranking | column | archive | NICE TEMPERANCE | dayday | DocodemoTV
Copyright © team FUNKAHOLIC