百万石の次回予告Column 003

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2008.7.25 On Air Theme 『職人』
もうかれこれ10年前くらいになりますが、
自分が高校生活を終えて大学に入学するまでの1ヶ月間、地元の雀荘に入り浸っており、
んで、やはりそこに同じく入り浸ってるおじさん達とも色々世間話をするようになるわけです。

おい坊主、春から大学生か、
はい、そうです、
どこの学校行くんか、
はい、○×▲大学です、
学部は?
商学部です、
なんや文系か、そんなら使いもんにならんよ

んだとこの親父!と思い麻雀でボコボコにしてやったかされたのかまでは覚えてませんが、
実際に今自分を見つめるとギリギリ使いもんになってない気がしないでも無い今日この頃。
その親父さんは同じく文系の大学を出て会社入って定年を迎え、
会社に残った若い連中のことを考えるとしのびない、これからどんどん不景気になっていって、最終的に生き残れるのは職人だ、と言いながら、
5巡目の親リーチにガンガン油っこい牌を通してきていたのであります。

んなこたぁ無いと当時は思っていたものの、確かにその親父さんの言う通りの世の中になり、
ああ、せめて理系の学部に行ってたら、自分も今頃少しは世間で言う使いもんになったかなぁと昔を振り返れば、
大学受験前に分数の割り算さえ解くのが怪しかった自分を思い出して、
なるべくして自分は文系人間になったのだと納得するのであります。

職人さんの凄いところは、
頭の中がその職のことで9割を占められており、それ基準で全て物事を考えるのであります。
例えばドラマーならドラムスティックでお茶漬けをすすっても、なんら違和感の無いオーラを醸し出すのであります。

もう、誰でも出来る仕事を普通にこなせば食うに困らない世の中は終わろうとしています。
いつぞやテレビなんかで、デンマークかどっかで観光客が河を下って楽しむ船、ただそれだけを作り続けて50年になるという親父さんを、 その番組はあくまで「こういう人もいるんですねぇ」と上から目線で紹介していましたが、
もう僕らは逆にデンマークの親父さんを羨望の目で見ることになり、
日本にもこれから職人がどんどん増えるようになるのであります。

ピンポイントで技術に特化した職人が増えるということはこれ即ち、
経済成長の限界を示しているのであります。
職人を大事にしなかった企業のツケは、とてつもなく大きいのであります。

聴く者、とくに女性を声だけでキュン死させる職人と、
秀逸と評価されるほどの「噛み芸」を持った職人、

この二人が毎週お相手のFUNKAHOLIC。



2008.7.18 On Air Theme 『海』
つい2ヶ月くらい前かな、山口県は角島ってとこに嫁さんと行ってきました。 二人の休みが合ったからドライブにでも出かけようと。 別にどこでも良かったんやけど、なぜか角島になったんですな。
んで、行ってから気づいたんやけど角島はとにかく海がキレイだということで。 いや、むちゃくちゃキレイでしたよ。あの、潮目っていうヤツを 始めて見ましてね。薄い青と濃い青がはっきりと別れてる海なんてそうそう見れないわけで。
これが今の季節になると人の数が2倍にも3倍にもなるらしく、みんなあの美しい海を求めて西日本各地からやってくるらしいんですね。 土産物屋 さんはもちろん漁港のほうに行っても人はたくさんいるし、春行った時も飯食うとこは行列ばかりで。海のそばにある小さな町が、大きなビジネスを 生んでいるわけです。

良い気分転換になって心は満たされたわけなんですが、どうしても引っかかったのが、自分の実家の町。
うちの実家の町も大きな海があって、漁港もあれば海水浴場もある。魚はうまいし。んで、けっこうキレイなんですよ。のどかやし、なんせ西日本の 端っこ。端っこってだけでもけっこう面白いと思うんやけど、なんかどうしても活気が無いんですよね。
角島の皆さんは、自分の町の魅力にいち早く気づき、そして立派な橋を通し、町全体が努力をした。それによってたくさん人が集まるようになった。 海ってのは、人を引き付ける魅力がたくさんあるんですよね。オレんとこの実家の町は、自分の町の良さに気づいてないんやろうなぁ。

こんだけどうしようも無い世の中になって先も良いことなんて無いとなれば、人々はどんどん癒しを求めるようになるやろうし、きれいな海は大きな ビジネスになると思います。
また時間見つけて、夏のうちのは角島の海を拝みたいなぁ。



2008.7.11 On Air Theme 『恐怖』
恐怖、と言えば、もうオレにはこの話しかない。まぁどっかでも書いた覚えがあるんだけど。

約3年前まで福岡市西区は姪浜ってとこに住んでた。姪浜は福岡市営地下鉄空港線の始発駅で、地下鉄なのに地上に駅がある。
オレが住んでたアパートは「マンション松岡」という、名前にはほど遠い昭和の名残があるどくだみ荘みたいなボロアパートで、 1ルームどう見積もっても4畳半、もちろんユニットバス、壁は薄くて隣の部屋の携帯のバイブまで聞こえる、でも南向きで日当たり抜群 洗濯物は乾きっぱなし、駅から歩いて2分、全速力で走れば改札まで40秒、5階建ての4階の角部屋、しかも家賃が水道代込みの30000円ポッキリ、 もうそこは独身男にすればハーレムみたいな場所だった。
思えばそこに3年くらい住んだのかな。ある意味ここで過ごした3年間が一番濃い3年間だった気がする。駅が近すぎてホームから自分の部屋が 見えるもんだから、俺が帰ってきて電気を灯した瞬間に非通知で携帯が鳴り、それが2週間くらい続いたうえにポストの中にプレゼントが無理矢理 ねじ込まれてて発狂しそうになったりしたのもココ。そうそう、世話になってるたすまんさんや相方のともやすがやってた番組で、ベランダで 全裸リポートをやったのもココだった。

そこで貴重な20代という青春を謳歌していたとある夏の日だ。オレは仕事から帰って、何気にテレビを点けて、ナイターを観ていた。
バッターボックスには小久保。そう、当時はまだジャイアンツに移籍する前の小久保。ホークスもまだソフトバンクじゃなくてダイエーだったな そういえば。
すると、どこからともなく聞こえてくる、小久保を応援する声。

「おおーっ!小久保ーっ!がんばれ小久保ーっ!」
「どんどんどん♪小っ久っ保ーっ♪どどんがどん♪小っ久っ保ーっ♪」

三振すると小久保以上に真剣に悔しがる。「んなあああんだよ振れよー!」
ヒット打つとすごく喜ぶ。「ぃやったああああああああ!なあああああいすばってぃぃぃぃぃんグッ!」

しかし、小久保以外のホークスの選手がバッターボックスに立っても、その声は聞こえてこない。例えば松中や城島には、何の声援も送らないのだ。

オレは隣の部屋に住むSさんだと思っていた。なぜなら、最初引越して間もないころ彼に挨拶した時、聞いてもいないのに「あ、どうもSです。 趣味は野球です」と答えてくれたし、彼がユニフォームに着替えて早朝野球に出掛けるのを、朝帰り際によく見かけていたからだ。
Sさん、小久保が好きなんだな。ホークスじゃなくて「小久保」なんだ。早朝野球ではきっとサードで4番なんだろうな。

オレは即刻ネタにした。「うちの隣人は福岡一、いや、おそらく日本一の小久保ファンだ」と。どこに行っても笑いが取れる、鉄板ネタだった。
Sさんの小久保フィーバーは、1年以上続いた。春のシーズン開幕から、ペナントの終わりまで、実に熱心だった。

ところがある日、ふと気付く。
部屋ではテレビを観るよりどちらかといえば音楽を聴きながらちねちねこねこね文章を書くことが好きだったオレが、テレビを点けていなくてもだ、 木曜日以外はナイターをやっているはずなのだ。その時、Sさんはだんまりを決め込んでいる。

おかしいと思い、テレビを点ける。バッターボックスには小久保。始まる、メガホンと、口で鳴らす太鼓の音。「どんどんどん♪小っ久っ保ーっ♪ がんばれがんばれ小っ久っ保ーっ♪」。
昭和の匂いさえ漂う原始的な応援。変な胸騒ぎがする。

妙だな、と思い始めて何日も経たない日に決定的な出来事が起こる。
その日も何気に帰宅してからテレビを点けるとナイターをやっている。松中がフォアボールで歩いてバッターボックスには、

4番 サード 小久保。

待ってましたあああああああ!レフトスタンド一直線!われらがああああこくぼ?おおおおひろき!

いつにも増して気合が入っているSさん。ペナントも終盤に差し掛かり、一つも落とせないゲームが続いていたので、熱が入るのもわかる。
その時のピッチャーは覚えていないが、確か、一球目はスライダーが外に外れてボール。カウントはワンボールナッシング。
その瞬間だ。「ガチャガチャ!ガタッ!」と、隣のドアの鍵を開ける音が聞こえる。すると、隣の部屋から、Sさんと、女の人らしき声が聞こえてくる ではないか。Sさんはその時初めて部屋に帰ってきたのだ。

となると、小久保ファンはSさんでは無いのである。
楽しそうに談笑するSさんと女性。それに被さる小久保を応援する声。

・・・・・・・・・・・・・マジかよ、Sさんじゃねぇんか・・・・・・・・・・・・・・・。

それからというものの、その小久保を応援する声は、隣ではなく、階下から聞こえてくるような気もしたし、最上階の5階のような気もした。 声の主はふわふわと浮遊しているような感じだった。
そしてとうとう、オレがいる部屋は角部屋だからSさんの部屋と反対側の壁の向こうは空気であるはずの方から、その声は、はっきりと、聞こえて きたのである。
そして極めつけ、その日はナイターはやっていなかった。

もうおわかりだろう。
いつになく悲痛な声で「小久保ーっ!撃てええええええええ!ほおおおおむらああああん!打って・・・・・おねがいいいいいだからああああああ、 打って、打って!うってええええええいいいいいいいいいあああああああ!おおおおおお!ヒットおおおおおおおおお!ほーむらあああああんん! お願い!お願い!打ってええええええ!」

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!許して下さいごめんなさい!
オレは布団の中に潜りこんでなぜか謝りまくった。とにかく謝りまくった。
それから引っ越す2005年の暮れまで、部屋では一切ナイターが観れなくなった。
そして小久保ファンの幽霊も出なくなった。家でナイターを観なくなったオレは野球自体には興味があったが、出張先のホテルのテレビで観る以外に、 ネットかスポーツ新聞でしか野球の情報を得ることが出来なかったのだ。

ただ一つ悔いが残るのは、隣のSさんや他の階に住むそのアパートの住人が、果たしてその小久保ファンの幽霊の声を聞くことがあったのかどうか、 確かめればよかったな、ということである。
オレ個人だけへの怨恨か。じゃなきゃ、そのアパートに住み着く浮遊霊なのか。
そこがもの凄く気になるのだ。

「隣人が日本一の小久保ファン」という鉄板の笑い話から、「小久保ファンの幽霊が出るアパート」という恐怖の怪談に変わった、というそんなお話。

ジャイアンツに小久保を強奪された時は、辛かっただろう。
小久保がホークスに戻ってきた時は、嬉しかっただろう。
もう成仏したかな?
あの世とこの世で君は小久保、僕は多田野を応援しようじゃないか。

江原や細木はともかくだ。
断言する。オカルト的なものも含めて、幽霊は存在する。



2008.7.4 On Air Theme 『不満』
不満ねぇ、多いですねぇ。

不満を持つことはおおいに結構なことです。そんでね、バンバン不満をぶつけていったらいいんですよ。
そしたら自分にも周りからバンバン不満が降ってきます。それを正面から受け止めて解消してやればいいじゃないですか。
不満ってのはそうすることでしかなくならないんじゃないかと思うんです。

不満をずーっと溜め込むのは本当に良くないと思います。溜め込むほうにも、不満を持たれてるほうにも。

でもね、不満をぶつけることを出来ない状況にあったり、ぶつける勇気が無い人もいるでしょう。

不満を言えない状況は、意外に自分が作り出してしまっていることが多いです。工夫次第ではけっこうその場を変えて不満を無くしたり することができます。
勇気が無いってのはしょうがありません。勇気を持ちましょう。

冒頭にも書いたように、オレだって不満は腐るほどあります。けっこうバンバン不満言うほうだし言われるほうなんだけど、 それで随分助かった部分もあります。それでも、溜め込まざるを得ない不満も腐るほどあります。ようは、自分がふがいないばかりに 不満を言えない状況を作り出してしまってるんです。全て自分の責任なんですね。
ただ、その不満をちゃんとぶつけることが出来るように、今に見てろと沸々とパワーを溜め込むことは出来ます。前に進むための人間の パワーくらい力強いものはありませんが、不満や悔しい思いからこみ上げてくるパワー、いわゆる跳ね返してやろうという気持ちにも、 相当な力があります。

それをどう使うかで、自分の置かれている状況、そして人生ってのは変えられるもんだとオレは思います。

秋葉原の通り魔殺人を始め、「社会に対する不満」を動機に、罪の無い人を傷つける輩が増えてきています。もちろんいけないことだし、 罪をおかした人間には同情の余地など皆無だと思いますが、彼らはその不満によって出てきたパワーを間違ったことに使ってしまった。人を殺す エネルギーって物凄いと思うんです。そのエネルギーを他のことに使えなかった彼らの「負け」ですね。

そんな犯罪がどんどん増えてきていることを政治家と公務員はもっと考えるべきです。社会の先頭で舵を取るのは政治家であり公務員の皆さん ですから。

まぁ自分が思ってることを包み隠さず申し上げさせていただきますが、
政治家や公務員の皆さんってのは、まともなセックスしたことないんじゃないですか?

セックスで何が一番虚しいかって、温度差のあるセックスですよ。自分と相手のテンションが違うセックスね。これならしないほうが マシやもん。

もちろん人によりけりなんだろうけど、まともなセックスってのは、相手と自分のテンションや考えてることが少なからずともおんなじだなぁと 感じれるもんですよ。ねぇみなさんそうでしょう?
庶民と自分達の、考え方に相当な温度差があることを、彼らはわかってないのか知らんふりしてるのか。

わかってないならまともなセックスしたことないのが確定です。まともなセックスしたこと無いような甲斐性無しの連中に、もちろんまともな 政治や行政が出来るわけが無いので諦めましょう。選らんだオレらが悪かったんだと。

ただ、知らんふりは重罪だと思います。
これは通り魔より遥かに重罪です。

まぁ政治家はともかく、公務員の方でコレを読む人もいらっしゃるかと思います。もちろん反論もあるでしょうし、自分はそんなこと無いと 腹も立つでしょう。

でも、あなた方にとって税金を払ってくれる国民の大半は、あなた方に対してものすごい温度差を感じていますよ?
例え自分はそうでないと思っていても、それをもう一度改めて受け止めて、今の政治や行政に真摯に取り組んだらいかがですか?

オレは今の政治や行政の仕組みに対して明らかに不満を持ってるので、下劣で稚拙な言い方だとわかっていてもそちらのほうがあなた方の頭やハートに より届くかと思うので、批判としてぶつけています。

大げさに言えば、人は、良い男であろう、良い女であろう、素晴らしいセックスをしようと日々努力をするものだし、そんな姿勢が仕事や勉強に 現れるものです。

目の前の男や女と向き合うように、まずは国民と真剣に向き合って下さい。

とまぁこんな具合に皆さんも、普段の不満を僕らにぶつけてみませんか?
正面から受け止めますから。



2008.8.1 On Air Theme 『シャワー』
ん?シャワーですか?

シャワーっつったらライスシャワーでしょ、常識的に考えて。

え?あの、結婚式の時に米粒を降らせてお祝いするヤツでしょ、って?

ちょっと違う。惜しい。

ライスシャワーといえばサラブレッドですよ。

父リアルシャダイ 母ライラックポイントとの間に産まれたライスシャワー。

91年のデビュー当初はさほど目立つ競走馬ではありませんでした。

しかし地道に勝ち星を重ね、その世代で争われる92年の牡馬3冠レースへと駒を進めます。

その3冠レース第1戦の皐月賞で、ファンの大本命を背負ったのは、ミホノブルボンでした。

「馬は鍛えて強くする。壊れたらそれまで」

という言葉を後に残した戸山調教師の最高傑作であるミホノブルボンは、この皐月賞を迎えるまで全勝。

自ら先頭に立ってレースを作ると、他馬を寄せ付けるどころか突き放すという磐石の横綱相撲で勝ちあがってきた栗毛の馬です。

大方の予想と期待を背に受けながら、ミホノブルボンは皐月賞を制します。

圧巻と言われる内容でした。

この時点で、「ミホノブルボンは無敗で3冠制覇を成し遂げる」と誰もが信じて疑いませんでした。

その約1ヶ月半後に迎えた3冠レース第2戦、日本ダービー。

3冠レースの中で最も格式が高く、その世代の頂点を決める戦い。

もちろんファンはミホノブルボンが無敗のダービー馬になることを期待します。

この日も自らレースを作ったミホノブルボンは、やはり他の馬を一度も前に置くこと無く、見事にダービー馬に輝きました。

しかしゴール板の前ではそれまでと違って、メインスタンドから聞こえる観客の声援と共に、

迫り来る黒い影の存在に気づいたはずです。

2着に入ったのは、そこまで決して目立つ存在ではなく、人気も無かった、

ライスシャワーでした。

皐月賞ではミホノブルボンからは遠く離れた8着に敗れていたライスシャワーが、
ミホノブルボンに1秒以内の差まで迫ったのです。

内容はミホノブルボンの4馬身差の完勝でしたが、全くのノーマークだったライスシャワーの2着激走に、
馬券を握り締めたファンから絶叫にも近い悲鳴が上がりました。

その時から、チラホラとライスシャワーを悪役扱いする声が上がります。

夏を越し秋を迎え、菊花賞の前哨戦、京都新聞杯において三たびミホノブルボンとライスシャワーは対決します。

後に「京都はライスの庭」と言われるほどに京都競馬場の芝コースはライスシャワーにとって相性が良く、

ミホノブルボンにはまたしても及びませんでしたが、それまでとは最も着差が短い1馬身差までに迫っていました。

そして迎えた3冠レース最終戦、京都競馬場で行われた菊花賞。

皐月賞、日本ダービーと、それまでの2戦はミホノブルボンにライバル無しと言われていましたが、
この菊花賞では「ミホノブルボン対ライスシャワー」の図式が出来上がっていました。

ブルボンが負けるところは想像出来ない

着差は徐々に詰まっている、次はライスが逆転する

意見は真っ二つに分かれたのです。

ミホノブルボンは、無敗の3冠がかかったプレッシャーと、
初めてとも言えるライバルの出現に臆したのか、

ゲートを出てからはキョウエイボーガンに先頭を譲り、珍しく2番手でレースを進めます。

それでも最終コーナーを迎えるころには先頭に立ち、いつものように力強い脚で他馬を突き放しにかかります。

いつもと同じような、エンジンフルスロットルの力強い伸び脚。

しかし、それ以上に「切れる脚」で後ろから迫る馬。

ライスシャワーでした。

直線の中ごろでライスシャワーはとうとうミホノブルボンに並び、交わし、そして突き放しました。

無敗の3冠馬の誕生はならなかったのです。

ゴール板をライスシャワーが先頭で駆け抜けると、落胆にも似たため息がメインスタンドから上がりました。

ライスシャワーが菊花賞を制した、というより、

ミホノブルボンがついに負けた、というのが世間の印象でした。

無敗の3冠の偉業を阻み、かつミホノブルボンを引退に追い込んだライスシャワーは、
この菊花賞を境に「関東からの刺客」というニックネームがついたのです。

関東からの刺客は、翌年の京都で再びアイドルホースの夢を打ち砕きます。

春の天皇賞3連覇の偉業がかかったメジロマックイーンの前に立ちはだかったのです。

白毛にも近いメジロマックイーンの馬体を漆黒の馬体ライスシャワーが、京都の最後の直線で、

まるでミホノブルボンを封じ込めるようにメジロマックイーンを完封しました。

黒(悪役)が白(ヒーロー)を刺す。

ここでもやはり「ライスシャワーが天皇賞を勝った」というより、

「メジロマックイーン、天皇賞3連覇ならず」と騒がれました。

みんな、まるでライスシャワーの勝利を望んで無いような雰囲気になってしまったのです。

その空気を微妙に肌でライスシャワー自身が感じ取ったのか、

この93年の春にメジロマックイーンに勝利して以来、勝ち星から遠ざかります。

「ライスシャワーは終わった」「悪役は短命」とも囁かれ、ライスシャワーは完全なスランプに陥ってしまいました。

それでも、ライスシャワーを管理する飯塚調教師は諦めませんでした。

「皆から喜ばれる勝利を、ライスシャワーに味わせてやりたい」

その信念で迎えた95年の春の天皇賞。

すでにベテラン扱いになっていたライスシャワーは、台頭する4歳勢に「挑戦する」形になりました。

それでも、2年前にメジロマックイーンを封じた同じ舞台。

ライスシャワーの本領が発揮され、最後の直線は先頭に立ちます。

おお、あのライスシャワーが!とファンは驚き、声をあげるも、

外からステージチャンプが物凄い脚で迫り、ほぼ並んで同時にゴール板を駆け抜けたのです。

ステージチャンプの背に跨っていた蛯名正義は勝利を確信し、ガッツポーズを繰り返しました。

ライスシャワーに跨った的場均、そしてスタンドでレースを見ていた飯塚調教師さえも、
「残念、あと一歩粘れなかった」と諦めにも似た雰囲気で引き上げていきます。

しかし、写真判定の結果は、

1着:ライスシャワー

2着:ステージチャンプ

この結果には飯塚調教師も的場均も驚き、そして、メインスタンドからは大歓声が上がりました。

ライスシャワーおめでとう

ライス良かったな

マックイーンもブルボンも喜んでるぞ

よく復活したね

強かったなライス

まだまだこれからだぞライスシャワー

表彰式の時にファンから掛けられる、初めての「温かい祝福」に、表彰台に上がった飯塚調教師の涙は止まりませんでした。

95年は阪神競馬場がコース改修のために、春のグランプリ宝塚記念が京都競馬場で行われました。

ライスシャワーにとっては絶好のチャンスです。

得意の京都で、ファンにまだまだ衰えて無いところを示そうと、宝塚記念へ挑みます。

真っ先にゴールを駆け抜けたのはダンツシアトルでした。

しかし、ダンツシアトルに跨った村本善之に笑顔はありませんでした。

メインスタンドからは、3年前の菊花賞や、2年前の天皇賞で聞いた悲鳴ではなく、

かと言ってライスシャワーが敗れた落胆の溜息でもなく、

ライスシャワー、立ち上がってくれ、という涙交じりの悲痛な叫びでした。

残念ながらライスシャワーは、ゴール板を駆け抜けることなく、3コーナーから4コーナーの中間地点で、

静かにその短い生涯を終えました。

もっともっと、人々から愛されるはずだったライスシャワー。

長距離のG1レースを3つも勝ったその血を、後世に伝えるはずだったライスシャワー。 主戦騎手だった的場均は、その騎手生活を終える時にこう話したそうです。

僕がこうやって無事に騎手を引退出来るのは

ライスシャワーの存在が大きかった

彼の存在は、僕を人間として何倍も成長させてくれた

ライスシャワーにも、心からありがとうと言いたい

的場均もまた、幾多の記録がかかった場面を他の馬で阻止し続け、

「偉業ストッパー」として名を馳せたのです。

競馬には色んなストーリーがあると言われていますが、

物語の視点で競馬と向き合った時に真っ先に思いつくのはライスシャワーです。

ヒールとしての存在をアピールし、

晩年で皆にようやく愛され、

壮絶に散っていった漆黒の馬体は、

いつまでも僕ら競馬ファンの胸に焼き付いています。

今週は「競馬」というテーマ・・・・・、

あ、ちがう、うっかりうっかり。

今週は「ライス」というテーマで皆さん・・・・・、

あ、これはこれは、うっかりさんだなぁオレは。



2008.8.8 On Air 『Endless Talk Special』
今週は特にテーマを設けないフリートークスペシャルということなので、
ここもフリーに書かせてもらう。

我が家には一匹のセキセイインコがいて、名は千代丸と言う。
我が家に来た時はまだオスかメスかわからず男らしい名前にしたが、ある日卵を産んでからはメスだということが発覚した。

千代丸はオレに恋をしている。
オレが話しかけると、インコのメス特有の仕草をして、嬉しそうな顔をしている。
それを繰り返して卵を産むわけだが、インコにとって卵を産むことはかなりの体力を使う。健康な証拠ではあるけれど、 あんまり体力を使うのもよろしく無い。弱った間に病気になることがあるからだ。
でもまぁ恋をするのを止めてやるわけにもいかないし、かと言って病気にするわけにもいかないし、飼い主としても大変なんだが、 それでも千代丸お前も大変だなあ、厄介な男を好きになって、と首を撫でてやる。

鳥も人間も、
恋をするのは厄介なのである。

往々にして恋愛と言うものは、
互いが同じ目線にならないとちっとも楽しくないし、うまくいかない。
冷たい言い方をすれば、
利害関係が一致しないと恋仲にならない。

小さなことでも、くだらないことでもいいから何か同じ目線になれるものがあれば、
それがきっかけで互いをいとおしく思えるかもしれない。

今の時代に限ったことかもしれないが、
恋愛って実はすごくシンプルなものだと思う。
恋愛につまづいている時ほど、
シンプルであることに気づかないものだ。
何をしたら相手が喜ぶかではなく、
いったい何が同じ目線になれるものなのかを考えるほうが、
よほど自分のためにも相手のためにもなるのだ。

同じ目線になれるものがどうしても見つからないのなら、
強引に押し倒してみたらどうだろう。

もう二度と口さえも聞いてくれないか、
一転してうまく行くかもしれない。
口も聞いてくれないのならさすがにあきらめもつくし、
もっと違う楽しみを見つけることが出来ると思う。

時代は複雑なシチュエーションや奥の深いストーリーよりも、
シンプルさが要求される。
情報ツールが多様化し、誰でも簡単に知りたいものが得られる今は、
わざわざ物事を複雑にする必要が無い。

桜井章一の言葉に、『安定がダメなら不安定を求めなさい』というものがあり、
それはシンプルを求めることと通じるものがある。

多様化した社会について行こうとすることは安定を意味し、
その逆を行くシンプルは不安定になる。
何かを得た者、好きな相手を腕に抱いている者には、
実は複雑なストーリーなどほとんど無いのだ。

オレはどうして喋りの仕事で噛みまくるんだろうと考えたら、
オレが自分の喋りに安定を求めていたからだ。
不安定な自分が嫌で怖くてとことん安定を突き詰めたけど、
ダメなもんはダメなのだ。
怖くて不安でしょうがないまま喋ったほうが、
オレとしてはいいのかもしれないのかな、と思いはじめた。

恋愛や仕事で悩んでる皆さん、
もう安定を求めるのはよしましょうよ。
恐怖感でいっぱいのほうが、
本当の力が出せますよ、きっと。

よし、ここまで書いて決めた。
住宅ローン返済金利は、
固定金利にせずに、変動金利のままでいいや。
不安定な変動金利のほうが、
常に尻に火がついてるもんね。



2008.8.22 On Air Theme『電車』
電車に乗っていると、車体と線路によって為される「ガタンゴトン」という擬音がある。
平日の昼間に各駅停車の下り電車なんかに乗ると、この音はビビットに耳に響く。
心地良い陽射しもあいまって、自分もガタンゴトンと落ちるように眠りにつく。

あのガタンゴトンという音が、より眠りを深いものへといざなっているような感じがする。
ちょっと情緒的というか牧歌的というか、あの音が自分は大好きだ。

しかし、そんな微笑ましくも似つかわしくないオレの思いに、
根底から疑問を投げかけてきた男がいる。
彼をAとしよう。

Aはオレの大学時代のサークルの後輩で、
当時Aは実家から大学に通う通学生だった。
彼は西鉄電車という私鉄を使っており、
毎日毎日電車で通学していた。

ある日部室で彼はオレにこう言った。
「あのですね百万石さん、オレけっこうすごかことに気付いたっですよ」
「ん?」
「あのですね、電車の音ってあるじゃないですか」
「音?あー、ガタンゴトンってやつね?」
「っくはぁ!やっぱりガタンゴトンやもん。やっぱそげんやかー」
「・・・・・・・はぁ?」
「いやあのですね、別に百万石さんは間違っとらんですよ。だいたいの人がそげん答えらすもん。」
「・・・・・・・、言ってる意味がイマイチわからんのやけど」
「実はですね、おい、気付いたとですよ」
「・・・・・・・・・・はい」
「電車の音はですね、よう聞いたらデグェンデグェンって言いよるっちゃん。オレ毎日ぎゃん聞きよるけん間違いなか」

これには正直、度肝を抜かれた。

言われてみればそうだ。よーく、よおおおおおおく耳を澄ませて電車の音を聞くと、絶対にガタンゴトンでは無いことに気付く。
褒めた。その後輩をオレはひとしきり褒めた。
お前はなんて耳がいいヤツだ、と。きっと立派なギターリストになるよ、と。
Aは後日、「やっぱりデグェンドゥグァンかもしれんです」とも言って来た。益々将来有望だと思った。

彼は今、焼肉店を営んでいる。



2008.8.29 On Air Theme 『水』
最近痩せた。体重変わってないけど体脂肪が落ちたというか。
まぁ理想的な体重の落とし方よね。

原因は水にある。
ただでさえクソ暑い夏はよく汗をかく。汗をかくチャンスにたくさんかいて、身体の代謝を上げようということだ。 そのために水をできるだけたくさん飲む。

なんか昔、水をたくさん飲むと太る、という話を聞いたことがあったし、あんまりビシバシ汗をかきまくるのも周りに迷惑がかかるしなぁ なんて思ってたが、今年の初夏は連日の猛暑続きで、汗をかくとかかかないとか、水を飲むとか飲まないのレベルではなくなっていたのだ。

傍に水無かったらまずかっただろうなぁ、今年は。自分の周りも熱中症でバタバタ倒れてたもんなぁ。

代謝を上げると、身体中の老廃物が外によりよく出るようになる。これを利用して本来必要の無いものを外に出して体脂肪を落とそうと いうことなのだ。

おかげで、最も落ちにくいとされる腰の後ろ側の贅肉がけっこう落ちた。

でも、前側の贅肉はそんなに落ちて無いのがご愛嬌である。

もちろん効果に個人差はあるだろうし、飲めば飲むだけ効果があるというわけでは無いと思うので、やるかやらないかは自己責任で。
オレは一日に2.5Lくらい飲んだけど、けっこう身体のラインは変わりましたよ。

やってみたらわかるんやけど、一日で2Lも3Lも水飲むってなかなか辛いんですよね。
飲むのは意外とイケるんやけど、それこそ汗はたくさん出てくるし、もし日中に自分が汗をかかない環境にいると、トイレに行く回数が半端なく 増える。簡単なダイエットっつーもんは無いんですね。

まぁ、だから水の味ってのも少しずつわかるようになってきて、自分の家の浄水器じゃチョロチョロとしか蛇口から水が出てこないから通常の 蛇口からどばーっとコップに注いでごくごく飲むとまずいの南野って(なんのって)。こう、子供の頃に普通に飲んでた水道水ってのはおいそれ 簡単に飲めなくなってきてますねぇ。嫌な世の中だ。

水くらいは、どこでも簡単においしく飲める時代に戻ってほしいものですね。



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